住宅ローンの事前審査に落ちた!考えられる理由と対策について

毎日ネットを見て、休日ごとに物件を実際に見に行って、やっと気に入った物件が見つかった!


しかし、売買契約前に銀行の住宅ローンの事前審査を申し込んだら、不動産業者から「ダメでした」との返答。


年に何回か、こういった経験をされるお客様はいらっしゃいます。


銀行は事前審査に落ちた理由を教えてくれません、あくまでも総合的判断という返答が返ってきます。


一体何が原因?もう家は買えないの?どうすれば事前審査に通るの?


そんな疑問に答えます。

住宅ローンの事前審査に落ちる理由と対策


住宅ローンの事前審査では、各銀行は以下の項目を見ています。


  融資を行う際に考慮する項目 考慮する金融機関の割合
1 健康状態 98.8%
2 借入時年齢 98.3%
3 完済時年齢 97.7%
4 担保評価 97.2%
5 勤続年数 95.7%
6 年収 95.9%
7 連帯保証 94.6%
8 返済負担率 90.7%
9 金融機関の営業エリア 90.3%
10 融資可能額(融資率)購入の場合 79.6%
11 雇用形態 75.7%
12 融資可能額(融資率)借換の場合 73.1%
13 国籍 68.9%
14 カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 63.1%
15 申込人との取引状況 47.2%
16 業種 29.1%
17 家族構成 21.7%
18 雇用先の規模 20.0%
19 所有資産 18.9%
20 性別 15.1%
21 その他 3.9%

平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書/国土交通省 住宅局より



なので、この条件を満たしていないと審査に落ちてしまいます。


このうちの一つが駄目だから落ちるという事ではなく、総合的な判断となります。


具体的な例を挙げて見ていきましょう。

返済比率が基準内に収まっていない



年収と返済のバランスがあっていない、もしくは収まっていても、ぎりぎりの場合は、銀行が長期間支払していくのは難しいと考えてしまいます。


借入金額の限界は、ざっくりと年収の7~8倍と言われています。

対策



返済比率は、現在の収入と総支払い金額によって決まります。


ですので、対策としては

  • 収入を上げる

  • 物件変更するか、頭金を増やして借入金額を減らす

  • 他に車のローンなどの支払がある場合、それらを完済する



等が考えられます。


いきなり収入を増やすのは難しいので、この中で現実的なのは、物件を変更して予算を下げる方法と、その他の支払いを完済する方法になります。


他に借り入れがある



申し込み時点で、他に車のローンやカードのリボ払い、キャッシングなどの借り入れがある。


※消費者金融(アコム、プロミス等)で借り入れがあると、それだけで融資不可の銀行もあります。(金融機関による)


特に都市銀行(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行)は厳しく見る傾向があります。


※クレジットカードの一括払いは含まれません。

対策

  • 住宅ローンを申し込む前に、他の借り入れを返済しておく


この場合はこれしか対策方法はありません。


車などの大きな買い物をする場合は、住宅を購入した後にした方がいいです。


過去に支払を延滞したことがある



過去にクレジットカードや、車のローン、携帯電話の分割の支払を遅れたことがあると、銀行はお金にルーズな人間と判断します。


これも1回遅れたから、絶対だめという事はありません。


銀行によっては、2回くらいまでのうっかりの支払いの遅れなら大目に見てくれる場合もあります。


しかし、「異動」という情報(61日以上もしくは3か月以上のおくれがあるもの、裁判所が破産を宣告したもの)があると、ほぼ間違いなく審査に落ちてしまいます。


対策

  • 過去に延滞したかもしれない場合は、事前に個人信用情報を確認しておきましょう。

  • 過去に延滞履歴が複数回あり、それが原因で落ちてしまった場合は、5年間は履歴が残ってしまいますので、5年間は住宅ローンの審査に通るのが非常に厳しくなります。

  • 全国銀行個人信用情報センターは官報情報に関しては10年間保管しますので、自己破産や民事再生をした方は10年間住宅ローンを組むのがとても難しくなります。


  • 完済していても、登録している会社が情報を変更していない場合もあります、個人情報に記載されている情報が事実と異なる場合は、情報を掲載した会社に依頼して修正してもら用にしましょう。



少しでも身に覚えがある場合は。自身の信用情報を確認するようにしましょう。

 

個人信用情報とは



個人信用情報とは 個人の年収や住宅情報、勤務先等の属性情報及び、ローンや公共料金等の支払い情報のことで各クレジット会社が貸付を行うときの判断材料として使用します。


主に次の3つの機関に加盟する企業によって登録され共有されています。


CICJICC全国銀行個人信用情報センター



物件が要件を満たしていない



新築戸建ての場合は、ほぼ無いですが、

  • 建蔽率、容積率オーバー
  • 再建築不可



等の場合は、融資不可になる確率が高いです。


ただ、中古住宅の場合、建蔽率、容積率のオーバーは多少であれば大丈夫という金融機関もあります。

対策

  • 物件を変更する


  • 少しの建ぺい率オーバーや、容積率オーバーなら審査が通る金融機関もあるので、そういった金融機関に申し込む。



新築一戸建ての場合は気にする必要はありません。


勤続年数が短い



勤続年数が短いと、返済が終わるまでの間にまた転職をして、収入が不安定になってしまうかもしれないと銀行はとらえます。


以前は、勤続3年以上が絶対条件という銀行が多かったですが、今は勤続1年、もしくは状況によっては勤続半年でも見てくれる銀行が増えています。


勤続年数は保険証の日付で確認できます。

保険証



資格取得日で入社日を確認することが出来ます。

対策

  • 勤続年数が短くても大丈夫な銀行(三井住友銀行など)やフラット35を利用する。


  • 最低でも勤続年数が1年経つまで購入を待つ



勤務期間が短くても大丈夫な銀行か、フラット35に申し込んでみましょう。

自営業



自営業者は会社員と比べて、やはりリスクが高いと考えられています、


経営が長期間安定するかどうかを見るために、提出をする書類も会社員の方に比べて多いです(決算報告書等)。


状況(赤字決算など)によっては、妥当性のある改善計画書などの提出を求められる場合があります。

対策

  • 自営業者に強いフラット35を利用する

  • メインバンクとして利用している金融機関い相談する


フラット35がお勧めです。


申込内容の虚偽・記載漏れ



事前審査申込書の内容に嘘があると、銀行の心証がかなり悪くなります。


本人が気づいていなくても、記載漏れがあると、隠しているとみなされます。


過去の携帯電話本体代金の支払いの遅れや、ネットショッピングの分割払い等がある場合は忘れがちですので、申込書を記入する際は注意しましょう。

対策

  • 事前申し込みを記入した後に、記入漏れがないかもう一度確認しましょう。

  • 過去に延滞したかもしれない場合は、個人情報を取得して確認するか、そのことを正直に伝えましょう。



虚偽の記載は必ずばれますので、絶対にやめておきましょう。


悪質な場合、その金融機関では二度と融資が受けられなくなる可能性もあります。

独身



独身の方の購入が駄目なわけではないですが、昨今住宅ローンの不正案件等も増えていますので、審査は厳しい傾向にあります。

対策

  • 結婚予定がある場合はそのことを伝えましょう。

  • フラット35なら独身でも審査に影響はありません。

 

 

保険証が国民健康保険



保険証が正社員であるにもかかわらず国民健康保険の場合、勤務先が従業員の社会保険加入の義務を果たしていない企業であるとみられ、銀行にとっては、リスクと捉えられます。

対策

  • フラット35を利用する

  • 勤務先に在職証明書を出してもらう

 

国民健康保険では勤続年数の確認が出来ませんので、会社に証明書を発行してもらいましょう。


税金や保険料金の延滞



税金や国民健康保険の延滞があった場合、かなり厳しく見られます。


国民健康保険の場合、有効期限が1年未満の場合、保険料金を延滞している可能性がかなり高いと考える銀行が多いです。

対策

  • すぐに延滞している税金や保険料を支払いましょう。



税金は何があっても支払わなければいけませんので、すぐに支払うようにしましょう。


税金や保険料金の遅れは結構厳しめに見られます。


物件の所在地



勤務先や実家からも遠い、申込者と縁もゆかりもない場所の場合、銀行は何故その場所に家を買うのか疑問に感じます。(住宅ローンの不正使用の可能性もある為)

対策

  • その土地に住宅を購入する理由を、金融機関が納得するように説明しましょう。



最近は住宅ローンを利用した投資用マンションの購入などの不正利用が増加していて、金融機関も厳しくチェックしていますので、正直に理由を説明するようにしましょう。


契約後に住宅ローンの審査に落ちた場合、手付金は戻ってくるの?



通常は新築戸建ての売買契約前に住宅ローンの事前審査を終わらせておくことが多いですが、ケースによっては先に売買契約を終わらせてから住宅ローンの事前審査を申し込み事もあります。


もし契約後に審査に落ちた場合、契約時に支払った手付金はどうなるのでしょうか?


答えとしては、ほとんどの場合そのまま戻ってきます


ほとんどの場合、売買契約書には買主保護の為に「融資利用の特約」というものが記入されています。


これは期限内に住宅ローンの承認が下りなかった場合のための特約で、もし住宅ローンの承認が下りなければ、契約を解除することができ、その場合売主は買主に無利息で遅滞なく手付金を返還するという文言が入っています。


この特約が入っていれば、審査に落ちても手付金は戻ってきます。


審査に落ちた場合もう一度申し込めるの?



住宅ローンの事前審査に落ちた場合でも、別の銀行に申し込んで事前審査に通るケースはあります。


今は複数の銀行に事前審査を申し込んで、一番条件の良い金融機関を選ぶという事は珍しくないので、他の銀行で事前審査を申し込んだ履歴があっても審査に不利になる事はありません。


ただ、銀行の事前審査に通らず、あまりにも多くの銀行に申し込んでいると、担当者から怪しまれるかもしれません。


事前審査申込履歴は個人信用情報に登録され、半年間残ります。


まずは一つの金融機関に事前審査に落ちてしまった場合、理由にこころあたりがある場合はそれを解消してから申し込んだ方が良いでしょう。

住宅ローンの事前審査に通れば本審査に通るのか?



住宅ローンは事前審査に通った後に、さらに詳しい資料を提出して本審査を受けます。


「せっかく事前審査に通ったのに、本審査に落ちたらどうしよう?」と不安になる方も多いかと思います。

本審査に落ちる確率



銀行の住宅ローンの場合、私の担当したお客様で、事前審査の後の本審査に落ちた方はいらっしゃいませんし、同じ職場でも見たことはありません。


ごくまれにそういった話も聞きますが、本当にレアケースと思ってもいいかと思います。


銀行が判断する事なので断言はできませんが、状況が変わらない限り、ほぼ通過すると思っても差し支えないかと思います。



しかし、昔に比べると大分減りましたが、フラット35の本審査に落ちたという話はたまに聞くことがあります。


これは銀行とフラット35で事前審査の方法が違うからです。

本審査に落ちる理由は?

  • 事前審査に虚偽の内容がある。
  • 事前審査後に借り入れをした。
  • 事前審査後に返済の延滞をした。
  • 事前審査後に転職をした。
  • 団体信用生命保険に入れなかった(健康状態)

等が考えられます。


事前審査を通過した後は、決済までの間に借り入れや延滞を絶対しないように注意しましょう。

まとめ


どうでしたか?


銀行が見ている項目を確認して、あてはまる項目はあったでしょうか?


もしあてはまる項目があった場合、改善できる項目は改善をして、申し込む金融機関によっては、結果が変わる場合もあるので、もう一度事前審査を申し込む前に担当営業に相談してみましょう。


もし 担当 営業に住宅ローンの知識がない場合、 担当 営業、もしくは不動産会社を変更しましょう。


個人情報の確認の仕方については別記事で書きたいと思います。


「ゼロ住まいる」は銀行ローンの相談も、もちろん無料でお受けしています。


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