住宅ローンの収入合算「 連帯債務型 」について


住宅ローン利用時に、夫婦の収入を合わせることによって借入可能金額を増やすことができる「収入合算」。


収入合算には「連帯保証型」連帯債務型」「ペアローン」の3種類の方法があります。


今回はその中の「連帯債務型」について詳しく解説していきたいと思います。


連帯債務型とは


連帯債務型の契約方法は、ご主人・奥様両方が契約の当事者となる契約方法です。


契約本数は分かれずに1本となり、借入の割合も決めません。


例えば3,000万円の住宅ローンの場合、ご主人・奥様両方が3,000万円の契約を交わしている形となります。


この方式は銀行ではほとんど取り扱いが無く、フラット35が代表的な取り扱い金融機関となります。

連帯債務型



図にするとこういう感じになります。


契約自体は1本で、契約者が二人という形になります。

連帯債務型のメリット

借入可能金額が増える



これはどの収入合算の方法にも言えることですが、ご主人の収入に奥様の収入を合算することにより、借入可能金額が増えます。

借入時に諸費用の増加が無い



契約自体は1本なので、借入にかかる手数料が増えることはありません。

住宅ローン減税を夫婦二人で受けることができる



連帯債務型の場合は二人とも債務者ですので、二人とも住宅ローン減税を受けることができます。

連帯債務型のデメリット

取り扱い金融機関が少ない



一般の銀行での収入合算は、「連帯保証型」がほとんどですので、取り扱っているのは一部の銀行とフラット35だけになります。

奥様が団体信用生命保険に加入出来ない



これにつきましては後述しますが、そういった商品を利用するか、団体信用生命保険の特約を付けない限り、奥様は団体信用生命保険に加入が出来ません。

連帯債務型の住宅ローンを取り扱っている銀行

三井住友銀行

三井住友銀行

三井住友銀行が連帯債務型を扱っている代表的な銀行となります。


連生団体信用生命保険付住宅ローン「クロスサポート」も取り扱っているので、連帯債務型を検討している方にお勧めの銀行と言えます。

連帯債務型の住宅ローン減税


連帯債務型で借り入れをした場合、夫婦両方が債務者となりますので、二人とも住宅ローン減税を受けることができます。


注意点としましては、例えば3,000万円の借入をした場合、二人とも3,000万円の住宅ローン減税を受けられるのではなく、物件の持ち分によって減税の対象金額が決まるので注意しましょう。


物件価格3,000万円
夫1,500万円(持分1/2) 妻1,500万円(持分1/2)
頭金 ローン負担金額 頭金 ローン負担金額
0円 1,500万円 0円 1,500万円
500万円 1,000万円 800万円 700万円
1,000万円 500万円 300万円 1,200万円



表にまとめてみたのですが、表のローン負担金額が住宅ローン減税の対象となる金額です。


頭金が無い時は計算が簡単ですが、夫婦それぞれが違った金額の頭金を入れていると少し計算が複雑になってしまいます。


持ち分によってローン減税の対象となる金額が変わってくるので注意が必要です。

連帯債務型の団体信用生命保険


連帯債務型の住宅ローンでは、団体信用生命保険に加入できるのは主債務者一人だけで、例えばご主人主債務者の場合、奥様は団体信用生命保険に加入出来ません。


しかし、二人の収入を合算して購入しているので、万が一
そこで各金融機関は、以下のような商品の取り扱いをしています。

三井住友銀行の「クロスサポート」



三井住友銀行では連生団体信用生命保険付住宅ローン「クロスサポート」という商品を取り扱っています。


これは借入金利に0.18%プラスすることで、下の図のように夫婦どちらかに万が一の事が合った場合、その時点のローン残高が0円になるというものです。


三井住友銀行のHPも合わせてご覧ください。


この商品はさらに借入金利に+0.2%することによって、8大疾病保障付き住宅ローンも併せて利用することができます。

三井住友銀行クロスサポート
三井住友銀行クロスサポート

フラット35の団体信用生命保険


フラット35利用時には夫婦連生団体信用生命保険「デュエット」という商品がありますので、これを利用することによって、上記のクロスサポート同様、夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合、その時点の住宅ローン残高が0円になります。(利用時は借入金利に+0.18%)


クロスサポートとの違いは、デュエットと新3大疾病付機構団信との併用が出来ない事です。



連帯債務型の借入可能額シミュレーション


ここで収入合算をすることによってどれくらい借入可能金額が増えるのかシミュレーションしてみましょう。

主人年収400万、奥様年収300万円(正社員)の場合

収入借入可能金額
ご主人のみ400万円3,100万円
奥様との収入合算400+300=
700万円
5,560万円



奥様と収入合算することによって

2,460万円も借り入れ可能金額が増えています。


しかし、これはあくまでも二人の収入があると仮定しての金額ですので、もし奥様が専業主婦になる予定などがある方は、しっかり考慮して借入金額を決定するようにしましょう。

連帯債務型はこんな方におすすめ



奥様の収入が一定以上あり、二人で住宅ローン減税を受けたい方は連帯債務型がお勧めです。


連帝債務型の場合、借り入れにかかる諸費用を増やさずに夫婦そろって住宅ローン減税を受けることができます。


ただし、住宅ローン減税の対象は持ち分の割合で決まりますので、持ち分を決める時には注意が必要です。

まとめ



今回は受託ローンの収入合算の一つである「連帯債務型」についてお話ししました。


こちらも連帯保証型と同じく、夫婦二人の収入があるという前提で借入可能金額を計算しているので、奥様が専業主婦や退職になる予定のある方は、それに合わせて、借入金額を決めるようにしましょう。