元利均等返済と元金均等返済の違いとは?お得なのはどっち?
本日は住宅ローンの返済方法である「元利均等返済」と「元金均等返済」についてお話ししたいと思います。
この2つの支払方法の違いからメリット・デメリット、どちらの支払い方法がお得なのか迄お話ししていきます。
- 元利均等返済は一番ポピュラーな返済方法(ほとんどの人がこの方法)
- 元金均等返済は返済開始当初の支払い金額が多くしんどいが、最終的に支払い金額が少なくて済む(その代わりリスクもある)
この記事をかなり端折ってまとめるとこの2点になります。
詳しくは以下の記事を読んでください。
元利均等【返済】とは?
元利均等返済とは一番ポピュラーな返済方法で、住宅ローンを組んでいる方のほとんどがこの返済方法で返済を行っています。
毎月の支払金額が一定で、金利上昇時の支払い金額増加のリスクも少ない(1.25倍ルール)返済方法と言えます。
毎月の支払金額
元金と利息の合計による返済金額が金利が変わらない限り(変動金利に伴う返済額見直しまで)一定です。
毎月同じ金額を返済するため、わかりやすく支払い計画を立てやすいのが特徴です。
この図のように金利が変わらない限り返済期間中は支払金額が一定です、当初は返済金額のうちほとんどが利息に充てられ元金はあまり減っていきません。
支払金利の見直し(変動金利の場合)
毎年4月1日と10月1日の「ローン基準金利」に基づいて借入金利を見直す金融機関が多いです。
4月1日基準、10月1日基準に見直された借入金利は、それぞれ7月、1月の返済から適用されます。
返済金額の見直し(5年ルール)
変動金利選択した場合、返済金額は5年毎(借り入れから5回10月1日を経過するまで)に見直しを行います。
5年間は金利が変わらないことを5年ルールと言います。
この期間中、借入金利に変更があった場合も返済額は一 定のままですが、「元金」と「利息」の金額の内訳が変更となります。
金利が上昇した場合、毎月の支払金額は5年間変わらないが、利息の返済金額が増えて、元金の返済金額が減ってしまう。
返済金額の見直し(1.25倍ルール)
借入金利が上昇しても、返済金額が再計算前の返済額の 125%を超えることはありません(これを 125%ルールといいます)。
借入金利の引下げが行われ返済額が減少する場合は、制限 はありません。
金利が上昇した場合、返済金額を引き上げることで調整を行うので返済期間終了とともに完済となるのですが、上昇した支払金額が引き上げた25%におさまらない場合、最終月の支払金額にしわ寄せがいく形になります。
元利均等返済のメリット
- 毎月の返済額が金利が上がらない限り同じなので、返済計画が立てやすい
- 当初の返済額は元金均等返済に比べて少ない
- 元金均等返済に比べて支払い開始当初の返済金額が少ないので、借入可能金額も多い。
元利均等返済のデメリット
- 返済期間が同じ場合、元金均等より総利息支払金額が多い
- 元金の減りが遅い
- 元金の減りが遅いので、途中で不動産を売却した時に残債が出る可能性が高い。
元金均等【返済】とは?
元金均等返済とは返済開始当初は返済金額が多くしんどいですが、その分元金が減っていくので最終的な返済金額が少なくて済む返済方法です。
この返済方法を取り扱っていない金融機関もあり、この方法で住宅ローンを返済している方はかなり少ないです。
毎月の支払金額
返済金額(元金と利息の合計額)のうち元金部分が一定で返済金額は毎月変動します。
支払はじめ当初は返済金額が多いですが徐々に返済金額が減っていきます。
支払金利の見直し(変動金利の場合)
元利均等返済の場合と同じです。
返済金額の見直し(5年ルール)
これも元利均等返済と同じで5年間は返済金額が変わりません。
返済金額の見直し(1.25倍ルール)
元金均等返済では125%ルールは適応されません。
返済金額上昇の上限はありませんので気を付ける必要があります。
元金均等返済のメリット
- 月々の返済金額のう内、元金の返済額の割合が一定額のため、元利均等返済と比べると住宅ローンの総返済額が安くなる。
- 途中で不動産を売却した時に元金が減っているので、残債が出にくい。
元金均等返済のデメリット
- 元利均等返済と比較すると 、毎月の返済額が当初は高くなる。
- 当初の返済金が多いため借入可能金額が減ってしまう。
- 125%ルールが適応されないので急に金が上昇すると、毎月の返済金額が支払い可能金額を超えてしまう可能性がある。
- 取り扱いが無い金融機関もある。
元利均等返済と元金均等返済の支払総額の比較
借入金額:3,000万円、借入期間35年、借入金利0.525%の場合
返済方法 | 当初の返済金額 | 総返済金額 |
元利均等返済 | 78,207円 | 32,846,949円 |
元金均等返済 | 84,553円 | 32,762,655円 |
差 | 6,346円 | 84,343円 |
元金均等返済の方が支払い開始当初の返済金額は多くてしんどいですが、最終支払金額が84,294円安くなっています。
金利が高くなればなるほど支払総額の差が大きくなっていきます。
現在の金利はとても低いので、元利均等返済と元金均等返済では35年間返済をしてもさほど差はつかない様です。
まとめ
本日は元利均等返済と元金均等返済についてお話しさせて頂きました。
どちらにもメリット、デメリットがありますので、あなたのライフスタイルに合わせて決めるのが一番だと思います。
どちらの支払い方法をしても最終の支払い金額はそこまで差は出ない様ですが、毎月の支払金額は返済が進むほど変わってきますので、うまくあなたのスタイルに合わせると返済がスムーズに進みそうです。
例えば今はお子さんが小さくて、共稼ぎでバリバリ働いている方なんかは元金均等返済にしておけば、お子さんの教育費などでお金がかかる時期には、住宅ローンの返済が楽になっています。
ちなみにほとんどお客様は元利均等返済を選びますし、銀行も元利均等返済を勧めることが多いですね。