パワービルダーで建売住宅を購入するメリットとデメリットを元社員が解説!



今回は「パワービルダー」についてお話ししたいと思います。


私の前職は「パワービルダー」の営業でした。


なので、当然内部の事情などに詳しいです。


話せる範囲で、安くなる理由・特徴・メリット・デメリットについてより詳しくお伝えしたいと思います。


パワービルダーとは



パワービルダーという言葉は、造語ですので特に規定はありませんが、一般的には「年間1000棟以上の土地付き一戸建てを分譲している建売業者」という様な意味で使われることが多い言葉になります。


そしてパワービルダーの建売住宅の特徴は、何といっても価格の安さです。


周辺の自由設計の新築一戸建て等と価格を比較してみると、その安さが良く分かります。



パワービルダーの物件が安い理由

ボリュームを生かしたコストダウン



パワービルダーは年間何千棟・何万棟という新築を分譲しますので、当然仕入れる資材の量は膨大なものになります。


どの業界でも同じですが、大量仕入れを行ったほうが、仕入れにかかる価格は安くなります。


さらに、キッチンや洗面台ユニットバスなどの設備や、窓や外壁、建具などの仕様を画一化して、仕入れる商品を絞り込むことによって、さらにコストを抑えています。

圧倒的に短い工期



基本的に着工から外構工事を含めた完成まで60日以内で行われる場合が多いです。


現場の監督も工期に関しては、かなりシビアに管理しています。


実は、土地を仕入れる段階で建物完成の予定日は決まっているんです。


最短の日程で建築できるように、土地の決済の翌日から、建物の解体・造成工事などが始まります。


工期を短くすることによって、より多くの建物を建築できますし、無駄な金利や人件費を抑えることが可能になります。


豊富な土地の情報量


パワービルダーが日々入手する土地の情報量は、他の不動産業の比になりません。


私の営業マン時代も、毎日のように営業所には土地の情報のFAXやメールが送られてきていました。


それだけ豊富な土地の情報量があるので、売れなさそうな不便な土地を買う必要もありませんし、仕入れ価格に関しても、無理して高値で買う必要が無いのです。


土地の情報がほとんど入ってこない業者の場合ですと、多少条件が悪くても妥協して購入するしかない場合も出てくるのです。


無理をして高値で購入した土地の価格は、当然建売住宅の販売価格に反映されてしまい、高くなってしまいます。

パワービルダーのシェア



国土交通省の発表によると、2018年の分譲住宅(事業者が販売を目的として建築したもの)の着工棟数は、255,263棟となっています。


パワービルダーの代表的な企業である飯田グループホールディングスが2016年に建てた建築棟数は、マンション・注文建築を含めて45,000とCMで謳っています。


注文住宅とマンションの数を引いたとしても、およそ日本全国の分譲住宅の約1割強飯田グループホールディングスだけで占めているといえそうです。


パワービルダーで購入するメリット

価格が安い



やはり、これが最大のメリットです。


上に書いたように徹底したコストカットによって分譲価格を押さえていますので、相場よりも数百万円安く変えることも珍しくありません。


価格改定のペースが速い



パワービルダーに対して「完成して売れ残ったらすごく安くなる」というイメージを持っている人は多いと思います。


パワービルダーは物件の回転率を最重要視します。


建物完成後2か月以上経過すると、物件担当者はかなり焦り出します。


なので、パワービルダー以外の物件と比べて価格改定のペースが速く、早期完売を目指して値引き交渉に応じてもらえることもあります。


企業としての規模が大きい



年間何千棟も新築戸建てを分譲する企業がほとんどですから、地場の工務店と比べて、会社の規模は大きく、資本金や社員数も当然多いです。


なので、建築主の倒産の可能性は、0ではないですが、低いと考えられるでしょう。


建物に関しては、引き渡し後10年間売主が保証を付けて、何かあった場合に対応することになりますので、10年後もきちんと存在している可能性が高いという事は、パワービルダーの建売住宅を購入するメリットと言えるでしょう。

パワービルダーで購入するデメリット

デザインのバリエーションが少ない



コストを抑えるために、ベースとなる工法・間取りなどを絞り込んで建築効率を上げているので、屋上バルコニーや地下室といったプランはほぼありませんし、外観のデザインも、万人受けするデザインに統一されています。

外壁に使われるのは、白系統・茶系統・グレー系統がほとんどとなっています。


また室内の壁紙もほとんどの建物で、量産の白色系の壁紙が使われることが多いです。


ですので、他の建物と違った外観や内装などを求める人には向いていないかも知れません。

食洗器や床暖房などの設備がついていない



徹底したコストカットを行っているので、食洗器や床暖房などの、いわゆる贅沢な設備はついていないケースがほとんどです。


有名な例ですと、飯田グループの住宅は、網戸がついていません。


しかし、必要最低限の設備はついていますし、必要であれば後からつけることも可能です。


過剰な設備を求めない人に取っては、その分価格が安くなっていますので、むしろメリットといえるかもしれません。

パワービルダーの建売住宅は心配?



建売住宅は注文住宅と比べて、質が悪いとか、欠陥が多いといわれることが多いのですが、実際にそうなのでしょうか。


建物を建築する時に、第三者機関による検査を受け、建物完成後も完成後の検査を受けて検査済証の発行を行っているので、この点は注文住宅も同じです。


耐震等級に関しても「飯田産業」「一建設」「アーネストワン」などは 、耐震等級3 を取得しています(3が最高等級です)


年間に何千棟という新築を建築する企業ですから、ノウハウはもちろんありますし、なにより欠陥住宅で裁判などとなってしまうと、企業の信用問題となります。


なので、どの企業もコストカットを行っても、建物の性能に関してはオリジナル工法を開発するなどして、高い基準を保つ努力を行っています。


主なパワービルダー



大阪で新築分譲を行っている主なパワービルダーを紹介いたします。

株式会社飯田産業

分譲名:ハートフルタウン

一建設株式会社

分譲名:リーブルガーデン

株式会社アーネストワン


分譲名:クレイドルガーデン

タクトホーム株式会社


分譲名:グラファーレ

アイディホーム株式会社


分譲名:リナージュ

ファースト住建株式会社

分譲名:ファーストタウン等

まとめ



今回はパワービルダーについてお話ししました。


建売住宅を探すときに必ず候補に入ってくるパワービルダー。


安かろう悪かろうではありませんので、価格を抑えて購入をお考えの方にも、そうでない方にもおすすめです。

是非一度検討してみてください。

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